HP EliteBook X 14" G1i Review
軽量ビジネスノートの決定版か。HP EliteBook X G1iはAI時代のワーカホリックに最適な相棒だが、クリエイターやゲーマーは要注意。
30秒まとめ
HP EliteBook X G1iは、1.2kgの軽量ボディに32GB RAM、Thunderbolt 4とWi-Fi 7を詰め込んだビジネス特化型ノート。AI処理を想定したCore Ultra 7とNPUが特徴ですが、ゲーム性能は22点でゲーマーには不向き。価格は1400ドルからとお得な場合があり、ビジネスユーザーには強く推せる一台です。
概要
HP EliteBook X G1iは、ビジネスユーザー向けに設計された14インチのウルトラブックです。最新のIntel Core Ultra 7 268Vプロセッサと32GBのLPDDR5Xメモリを搭載し、AI処理を意識した作りがウリ。重さ1.2kg、薄型ボディで、一日中持ち歩いても負担になりません。HPのEliteBookシリーズはビジネス向けに信頼性とセキュリティを重視していますが、今回のモデルは特にNPUを活かしたAIワークロードに対応するところが新しい。 このラップトップの面白いところは、GPUにIntelの統合型Arc 140Vを採用している点です。それゆえゲーミング性能は期待できませんが、オフィスワークや軽いクリエイティブ作業には十分。タッチ対応のIPSディスプレイは500nitの明るさで、屋外でも見やすく、sRGB 100%カバーなので色の再現性も良好です。エンタメや学生利用にもそこそこいける、マルチな一台です。 ただ、このマシンを選ぶなら、どんな仕事をするかがカギ。AI開発のプロトタイプから、大量のExcelシートを扱う経理、出張の多い営業職まで、幅広く刺さります。でも、3Dゲームや4K動画編集をガッツリやる人には向きません。そのあたり、後で詳しく見ていきましょう。
パフォーマンス
CPUのCore Ultra 7 268Vは、2.2GHzの8コアで、当サイトのデータベースでは同カテゴリの65パーセンタイルと、まずまずの位置。実際の作業では、ブラウザのタブを30枚開いても、Officeアプリを複数同時に動かしても、もたつきは感じません。ただ、Ryzen 7やM5 Proチップと比べると、マルチコアの重い処理では一歩譲ります。NPUを搭載しているので、Windows Studio EffectsやローカルLLM推論のようなAI機能はそこそこサクサク動くのが強みです。とはいえ、本格的なディープラーニングのトレーニングにはパワー不足。 統合GPUのArc 140Vは、64パーセンタイルと平均的。軽い写真編集や動画のトリミングなら問題ありませんが、『Cyberpunk 2077』はまず無理。当サイトのゲーミングスコアはなんと22点と、完全にゲーム向けではないというデータが出ています。そのかわり、メディアエンジンが新しいので、AV1デコードは得意。ネットフリックスを4Kで見る分には快適ですし、外部ディスプレイに出力すれば、オフィス作業でもマルチタスクがはかどります。
メリットとデメリット
Pros
- 驚異の軽さ(1.2kg)でカバンに入れても気にならない 93th
- 32GBの大容量RAMで重いマルチタスクも安心 87th
- Thunderbolt 4を含むUSB-C×3にUSB-AとHDMI 2.1、ポートが充実 86th
- 500nitの明るいタッチディスプレイ、sRGBカバー率100%で色が正確 81th
- Wi-Fi 7対応で将来のネットワークにも備えられる
Cons
- ゲーム性能は壊滅的(22点)、3Dゲーム好きには完全に不向き 32th
- 当サイトの信頼性スコアが31パーセンタイルと低め(過去モデルのデータも含む)
- メモリがオンボードで増設不可、後から拡張できない
- リフレッシュレート60Hzなので、動きの速いゲームやスクロールがカクつく
- 解像度が1920×1200と、このクラスではやや平凡、QHDや4Kが欲しい人には物足りない
スペック
全スペック一覧
Processor
| CPU | Intel Core Ultra 7 268V |
| Cores | 8 |
| Frequency | 2.2 GHz |
| L3 Cache | 12 MB |
Graphics
| GPU | Intel Arc 140V |
| Type | integrated |
| VRAM | 16 GB |
| VRAM Type | Shared |
Memory & Storage
| RAM | 32 GB |
| RAM Generation | LPDDR5X |
| Storage | 1 TB |
| Storage Type | NVMe SSD |
Display
| Size | 14" |
| Resolution | 1920 (Full HD) |
| Panel | IPS |
| Refresh Rate | 60 Hz |
| Brightness | 500 nits |
| Color Gamut | 100% sRGB |
Connectivity
| USB-C Ports | 3 |
| USB Ports | 1 |
| Thunderbolt | Thunderbolt 4 |
| HDMI | 1x HDMI 2.1 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 7 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 |
Physical
| Weight | 1.2 kg / 2.6 lbs |
| Battery | 68 Wh |
| OS | Windows 11 Pro |
コストパフォーマンス
価格は販売店によって1400ドルから3627ドルと、2227ドルもの開きがあります。流石に3600ドル出すなら、もっと高性能なノートが買えるので、上位の価格帯は現実的じゃないですね。でも1400ドルで手に入るなら、32GB RAMに1TB SSD、そして最新のWi-Fi 7を備えたビジネスノートとしてはかなりお買い得です。同じ価格帯の競合と比べても、これだけのポートと軽さを持つWindowsマシンは貴重。 ただ、MSI Prestige 13 Evoなど、さらに軽量でCPU性能が近いマシンもあるので、よく比較してほしい。とはいえ、HPのEliteBookは企業向けの管理機能やセキュリティチップ(vPro対応)を備えている点で、一般のコンシューマー向けラップトップより安心感がある。IT部門のある会社で使うなら、この追加の価値は馬鹿にできません。
Price History
競合製品との比較
同じような薄型軽量ノートだと、Samsung Galaxy Book5 Proがライバル。有機ELディスプレイの美しさやCPU性能では互角以上ですが、HPほどのポートの豊富さやvProには対応していません。もしディスプレイの美しさを最優先するならGalaxy、拡張性と管理機能をとるならHP、という選び方です。 ゲームもやるなら、ASUS ROG Flow Z13やLenovo Legion Pro 7iが選択肢に入ってきます。ROG Flowは小型ながらモバイルGPUを積んでいますが、重さとバッテリ持ちで劣ります。Lenovo Legion Pro 7iはデスクトップ級のパワーがありますが、2.5kg超でとても毎日持ち歩く気にはなれません。つまり、HP EliteBook X G1iは「動くオフィス」であり、ゲーミングマシンとは全く別の生き物です。MacBook Pro M5 ProはWindowsが必要な人には選択肢にならず、互換性の壁があるので比較から外します。
| Spec | HP EliteBook X 14" G1i | Apple MacBook Pro M4 Max | ASUS ROG Flow GZ302EA-XS99 | Lenovo Legion Pro Series Legion Pro 7i Gen 10 | MSI Prestige PRE13EVOA2088 | Samsung Galaxy Book5 Pro NP940XHA-KG3US |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CPU | Intel Core Ultra 7 268V | Apple M4 Max | AMD Ryzen AI Max+ 395 | Intel Core Ultra 9 275HX | Intel Core Ultra 7 258V | Intel Core Ultra 7 256V |
| RAM (GB) | 32 | 48 | 128 | 32 | 32 | 32 |
| Storage (GB) | 1024 | 2048 | 1024 | 1024 | 1000 | 1000 |
| Screen | 14" 1920x1200 | 14.2" 3024x1964 | 13.4" 2560x1600 | 16" 2560x1600 | 13.3" 2880x1800 | 14" 2880x1800 |
| GPU | Intel Arc 140V | Apple (40-Core) | AMD Radeon | NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU | Intel Arc | Intel Arc |
| OS | Windows 11 Pro | macOS | Windows 11 Pro | Windows 11 Home | Windows 11 Home | Windows 11 Home |
| Weight (kg) | 1.2 | 1.6 | 1.2 | 2.7 | 1 | 1.2 |
| Battery (Wh) | 68 | 72 | 70 | 99 | - | 15 |
| Compare | Compare | Compare | Compare | Compare |
| Product | Cpu | Gpu | Ram | Port | Screen | Compact | Storage | Reliability |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| HP EliteBook X 14" G1i | 65.3 | 64 | 93.3 | 85.7 | 72.9 | 86.7 | 81.3 | 31.5 |
| Apple MacBook Pro M4 Max Compare | 91.5 | 18.3 | 91.9 | 80.2 | 98.9 | 66.7 | 94.6 | 95.9 |
| ASUS ROG Flow GZ302EA-XS99 Compare | 95.1 | 80.2 | 99.9 | 77.7 | 89 | 92.5 | 81.3 | 57.9 |
| Lenovo Legion Pro Series Legion Pro 7i Gen 10 Compare | 96.5 | 90.1 | 90.2 | 98.1 | 94.2 | 8.4 | 81.3 | 78 |
| MSI Prestige PRE13EVOA2088 Compare | 62.7 | 64 | 80.8 | 83.5 | 89.7 | 95.3 | 73.3 | 57.9 |
| Samsung Galaxy Book5 Pro NP940XHA-KG3US Compare | 66.1 | 64 | 80.8 | 66.8 | 93 | 84.9 | 73.3 | 78 |
よくある質問
Q: このノートパソコンで最新の3Dゲームをプレイできますか?
いいえ、本機の統合GPU Intel Arc 140Vでは最新のAAAタイトルはまともに動きません。当サイトのゲーミングスコアは22/100で、軽量なインディーゲームやブラウザゲームならなんとか動く程度です。
Q: RAMを自分で増設できますか?
残念ながら、メモリはオンボードのLPDDR5Xで、後から増設することはできません。32GBの容量で一般的なビジネス用途には十分ですが、64GBが必要な作業には最初から別のモデルを選ぶ必要があります。
Q: バッテリーの持ちはどのくらいですか?
68Whのバッテリーを搭載し、FHD+ディスプレイと省電力CPUの組み合わせで、一般的なオフィスワークなら8~10時間程度は持続すると予想されます。ただし、輝度を最大にしてAI処理を連続して行うと、半日程度に短縮される可能性があります。
Q: ディスプレイはクリエイター向けの作業に耐えますか?
sRGB 100%カバーで500ニトの明るさがあるため、WebコンテンツやSNS向けの画像編集には十分です。ただ、解像度が1920×1200で60Hzのため、DCI-P3の広色域や4Kを求めるプロの写真家や映像編集者には物足りません。
おすすめできない人
ゲーミングや重い3Dレンダリングを目的にするなら、このマシンは買ってはいけません。Arc 140Vは、軽量ノートとしてはよくできていますが、本格的なGPUとして見ると力不足です。数十万円出してゲームがまともに動かないのでは話になりません。そうした用途には、RTX 4060以上を積んだROG Flow Z13や、Lenovo Legionシリーズを選びましょう。 また、常に最高のディスプレイ品質を求めるクリエイターにもおすすめしません。色域はsRGBまでしかなく、リフレッシュレートも60Hzと平凡。2-in-1の柔軟性もありません。同じ価格帯なら、有機EL搭載のSamsung Galaxy Book5 Proや、MacBook ProのRetinaディスプレイの方が、目で見てわかるレベルの違いがあります。
総評
出張やリモートワークが多く、Word、Excel、Teams会議を1日中こなすプロフェッショナルには、これ以上ない相棒です。32GBのメモリと最新のWi-Fi 7で、混雑したWi-Fi環境でも通信が安定し、Thunderbolt 4でドックにつなげばデスクトップのように使えます。AIを使った機能もこれから増えていくので、vProとNPU搭載は将来への投資としても悪くない。 でも、動画編集や3Dモデリング、あるいは気軽にゲームをしたい人には完全にミスマッチ。そういう用途なら、素直にASUSやLenovoのゲーミングノート、またはM5 Pro搭載のMacBook Proを狙うべきです。HP EliteBook X G1iは「仕事を快適にこなすための道具」と割り切れる人にこそおすすめします。