HP ZBook 14" 8 G1i 2024 Review

64GBの大容量メモリと1.43kgの軽さで、持ち運べるプロ環境を実現したHP ZBook 8 G1i。ただGPUのVRAM 4GBが重い作業の足を引っ張る。実際の使い勝手をデータで検証。

CPU Intel Core Ultra 7 265H
RAM 64 GB
Storage 1 TB
Screen 14" 2560x1600
GPU NVIDIA RTX 500 Ada
OS Windows 11 Pro
Weight 1.4 kg
Battery 77 Wh
HP ZBook 14" 8 G1i 2024 laptop
78.8 総合スコア

30秒まとめ

14インチで1.43kgのモバイルワークステーション。64GBメモリはデータベース全体でトップ2%に入る圧倒的な容量で、Core Ultra 7と色域100%ディスプレイも魅力。ただしRTX 500 AdaはVRAM 4GBと中程度で、重いGPU処理は苦手。価格は3152ドルからと高く、GPUと信頼性スコアがネック。メモリ重視のクリエイターやエンジニアなら検討に値する一台。

概要

HP ZBook 8 G1iは、14インチで1.43kgのモバイルワークステーションだ。クリエイターや設計者向けに作られていて、Intel Core Ultra 7 265H 16コア、なんと64GB DDR5メモリ、1TB NVMe SSDを備えている。ディスプレイは2560x1600の120Hz IPSで、Adobe RGBとDCI-P3を100%カバー。現場で色を扱うプロやCADを回すエンジニアが持ち歩くには、かなりそそるスペックだ。

ただ、気になるのはグラフィックス。NVIDIA RTX 500 Adaはプロ向けではあるが、4GBのVRAMしかない。3DレンダリングやAIトレーニングをガッツリ回す人には物足りないかもしれない。でも、軽量筐体にここまで詰め込んだモデルは珍しい。フルスペックのクリエイティブPCを毎日バッグに入れて運べる点が、このマシンの最大の魅力だ。

実際のところ、HP ZBook 8 G1iは「メモリと携帯性を最優先するプロ」のための一台だ。64GBなんてデータベースでも上位2%に入るレベル。ポートも豊富で、Thunderbolt 4、USB-C×3、USB-A、HDMI 2.1、有線LAN、Wi-Fi 7と死角なし。このクラスの軽さでここまで詰めるのか、と感心するが、価格帯が広いので注意が必要だ。

パフォーマンス

当サイトのデータベースでは、この64GBメモリが全ノートパソコン中ほぼ最高水準(98thパーセンタイル)で、複数の仮想マシンや巨大な3Dアセンブリを開いても余裕がある。Core Ultra 7 265HのCPUスコアも上位11%に入り、マルチコア性能は動画書き出しやコンパイルで明らかにキビキビしている。NPUが13TOPSあるので、ローカルAIタスクもそこそこ快適。ストレージの1TB SSDは全体の上位19%で、読み込み速度は文句なし。

スクリーンは2560x1600の解像度に120Hzリフレッシュレート、色域もAdobe RGB 100%とDCI-P3 100%とあって、発色の正確さで言えばトップクラスだ。ただし、GPUはRTX 500 Ada(4GB VRAM)で、このデータセットでは真ん中よりちょっと上(64th)に位置している。CADや軽い3Dモデリングなら問題ないが、複雑なレンダリングや4K動画のリアルタイムプレビューになるとVRAMの壁にぶつかる。クリエイター評価85.1点は、このGPUを除けばもっと上がっていただろう。

パフォーマンス偏差値

CPU 89.2
GPU 64
RAM 97.9
Ports 94.8
Screen 86.3
Portability 75.9
Storage 81.3
Reliability 31.5
Social Proof 39.9

メリットとデメリット

Pros

  • 64GB DDR5メモリはデータベース内でトップ2%、メモリ不足とは無縁 98th
  • ポート類が極めて充実(Thunderbolt 4、USB-C×3、HDMI 2.1、有線LAN、Wi-Fi 7) 95th
  • 1.43kgと軽量で、14インチワークステーションとしては驚異的な携帯性 89th
  • 100% Adobe RGB/DCI-P3の高色域ディスプレイで色再現性が信頼できる 86th
  • 32スレッドのCore Ultra 7でマルチタスクやコンパイルが速い

Cons

  • RTX 500 AdaのVRAMが4GBしかなく、重い3DレンダリングやAI学習には非力 32th
  • 価格が3152ドルから5310ドルと幅広く、コスパは微妙
  • 信頼性スコアが下位31%と低めで、長期使用の実績が未知数
  • ソーシャルプルーフ(口コミ数)が少なく、購入判断の材料に乏しい
  • ビジネス用途の評価が75.7点と、他のカテゴリに比べて見劣りする

スペック

全スペック一覧

Processor

CPU Intel Core Ultra 7 265H
Cores 16
Frequency 2.2 GHz
L3 Cache 24 MB

Graphics

GPU NVIDIA RTX 500 Ada
Type discrete
VRAM 4 GB
VRAM Type Shared

Memory & Storage

RAM 64 GB
RAM Generation DDR5
Storage 1 TB
Storage Type NVMe SSD

Display

Size 14"
Resolution 2560 (QHD)
Panel IPS
Refresh Rate 120 Hz
Brightness 400 nits
Color Gamut 100% Adobe RGB100% DCI-P3

Connectivity

USB-C Ports 3
USB Ports 1
Thunderbolt Thunderbolt 4
HDMI HDMI 2.1
Wi-Fi Wi-Fi 7
Bluetooth Bluetooth 5.4
Ethernet Gigabit Ethernet

Physical

Weight 1.4 kg / 3.2 lbs
Battery 77 Wh
OS Windows 11 Pro

コストパフォーマンス

HP ZBook 8 G1iの値付けは店舗によって3152ドルから5310ドルまで開きがある。最安の3152ドル(あるベンダーでの価格)でも、同じくらいの価格帯にはApple MacBook Pro M4 MaxやASUS ROG Flowなど、グラフィックス性能で大きくリードするマシンが存在する。64GBメモリと軽量筐体に価値を見いだせないなら、割高に感じるだろう。

このマシンが真価を発揮するのは、メモリ容量とISV認証を必要とする専門職だ。例えば、複数VMを走らせるソフトウェア開発者や、巨大なCADデータを開く設計者は、64GB RAMに価格以上の価値を見いだせる。最安店舗での購入を前提に、GPUの弱さを受け入れられるなら、選択肢としてアリだ。

Price History

$3,000 $3,500 $4,000 $4,500 $5,000 5月19日5月27日 $3,152

競合製品との比較

同じ価格帯で最初にぶつかるのがApple MacBook Pro M4 Maxだ。あちらはGPUが圧倒的で、バッテリー駆動時間も長い。ただしメモリは36GB止まりで、有線LANもUSB-Aもない。64GB載せたM4 Maxは値段が跳ね上がる。ポートとメモリを取るか、GPUと電池を取るか。ZBookは後者に振り切っている。

ASUS ROG Flow GZ302EA-XS99は2-in-1でRTX 4060あたりが乗り、ゲームやレンダリングでは上だが、1.5kg超で厚みもある。Lenovo Legion Pro 7i 83F50018USは16インチでRTX 4070と強いが、デカくて重い。Samsung Galaxy Book5 Proは逆に軽すぎてGPUが貧弱。ZBook 8 G1iは軽さとメモリと画面のバランスが絶妙で、唯一無二の立ち位置だ。

Spec HP ZBook 14" 8 G1i Apple MacBook Pro M4 Max ASUS ROG Flow GZ302EA-XS99 Lenovo Legion Pro Series Legion Pro 7i Gen 10 MSI Prestige PRE13EVOA2088 Samsung Galaxy Book5 Pro NP940XHA-KG3US
CPU Intel Core Ultra 7 265H Apple M4 Max AMD Ryzen AI Max+ 395 Intel Core Ultra 9 275HX Intel Core Ultra 7 258V Intel Core Ultra 7 256V
RAM (GB) 64 64 128 32 32 32
Storage (GB) 1024 8192 1024 1024 1000 1000
Screen 14" 2560x1600 14.2" 3024x1964 13.4" 2560x1600 16" 2560x1600 13.3" 2880x1800 14" 2880x1800
GPU NVIDIA RTX 500 Ada Apple (40-Core) AMD Radeon NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU Intel Arc Intel Arc
OS Windows 11 Pro macOS Windows 11 Pro Windows 11 Home Windows 11 Home Windows 11 Home
Weight (kg) 1.4 1.6 1.2 2.7 1 1.2
Battery (Wh) 77 72 70 99 - 15
Compare Compare Compare Compare Compare
Product CpuGpuRamPortScreenCompactStorageReliabilitySocial Proof
HP ZBook 14" 8 G1i 89.26497.994.886.375.981.331.539.9
Apple MacBook Pro M4 Max Compare 91.518.396.380.298.966.799.795.999.2
ASUS ROG Flow GZ302EA-XS99 Compare 95.180.299.977.78992.581.357.999.2
Lenovo Legion Pro Series Legion Pro 7i Gen 10 Compare 96.590.190.298.194.28.481.37899.2
MSI Prestige PRE13EVOA2088 Compare 62.76480.883.589.795.373.357.986
Samsung Galaxy Book5 Pro NP940XHA-KG3US Compare 66.16480.866.89384.973.37894.4

よくある質問

Q: RTX 500 Adaは3D CADやRevitに十分ですか?

RTX 500 Adaはプロ向けのエントリーGPUで、AutodeskやSolidWorksなどのISV認証も取得しています。小型のアセンブリや2D図面では問題なく動きますが、4GBのVRAMは大規模な3Dモデルやリアルタイムレンダリングでは足りなくなります。複雑な作業をするなら、Thunderbolt 4経由で外部GPUを追加することをおすすめします。

Q: バッテリーは実際どのくらい持ちますか?

77WhのバッテリーとCore Ultra 7の省電力設計により、文書作成やWeb閲覧といった軽い負荷なら8〜10時間程度を期待できます。ただし、3Dレンダリングやコンパイルを連続して行うと4〜5時間に縮まります。当サイトのテスト結果はありませんが、同クラスワークステーションの中では標準的な駆動時間です。

Q: メモリやストレージは後から増設できますか?

HP ZBookシリーズは過去モデルでメモリが半田付けのケースが多いため、今回のG1iもおそらく64GBで固定と思われます。1TB SSDはM.2スロットを使っているので交換可能ですが、デュアルスロットかは分解しないとわかりません。いずれにせよ、最初から64GBあるので、大半のプロには拡張不要です。

Q: Thunderbolt 4のポート数と外部ディスプレイ出力は?

Thunderbolt 4を1基装備し、それに加えてUSB-C(3.2 Gen 2)が2つ、USB-Aが1つ、HDMI 2.1が1つあります。Thunderbolt 4からは最大2台の4K 60Hz、または1台の8Kディスプレイに出力可能。HDMI 2.1も4K 120Hzや8K 60Hzに対応しているため、合計でトリプル外部出力も狙えます。

おすすめできない人

重いGPU処理が日常的な人は、このZBookを避けたほうがいい。4GB VRAMでは4K動画編集のプレビューやBlenderのCyclesレンダリングが苦しいし、ローカルLLMの推論も大きなモデルは動かせない。ASUS ROG Flow Z13やMacBook Pro M4 Maxのように、より多くのビデオメモリを積んだマシンを選ぶべきだ。

また、単にOfficeとブラウザ、会議用途がメインなら、このスペックは完全にオーバーキル。価格も高いので、Samsung Galaxy Book5 ProやLG gramなど、もっと軽くて安いウルトラブックで十分。ビジネスユースのスコアが低めに出ているのも、結局は割高なためだ。

総評

CADオペレーターや設計者が、現場で色確認しながら作業し、時々ある軽量レンダリングをこなすなら、HP ZBook 8 G1iはかなり刺さる。64GBの余裕と1.43kgの軽さを両立しているマシンは稀有だ。ディスプレイも校正済みで信頼できるし、ポートが網羅的だからドングル要らず。仕事道具として割り切るプロにはおすすめしたい。

ただ、GPUに負荷が集中するユーザー、たとえば3Dアニメーションや映像制作、MLのトレーニングをラップトップで完結させたい人には向かない。4GB VRAMではすぐに限界が来る。そういう用途なら、素直にMacBook Pro M4 Max(高VRAM構成)か、あるいはデスクトップ代替のゲーミングノートにしたほうが幸せだ。