Nikon Z9 Z9 Black 2023 Review
プロスポーツ撮影の頂点に立つNikon Z9。120fps連写と1053点AFは圧巻だが、この重さと価格を受け入れられるかどうかが全て。
30秒まとめ
Nikon Z9は、スポーツ・野生動物撮影で99.8点を叩き出すモンスターミラーレス。120fps連写と深層学習AFは圧倒的だが、1160gの重さと実用バッテリー約300枚がネック。価格は約62万円から120万円まで店舗差が激しく、購入時には要チェック。プロでなければZ8やZ6IIIで十分満足できる。
概要
Nikon Z9は、まさにプロのためのフラッグシップ機だ。スポーツや野生動物を撮る人にとって、99.8点というスコアは伊達じゃない。4560万画素フルサイズ、30コマ/秒のメカシャッター、電子なら120コマ/秒という連写速度、そして1053点のAF。これだけ詰め込んで、防塵防滴のマグネシウムボディに収まるカメラはそうない。発表からしばらく経つが、ファームウェア更新で今も進化し続けているあたり、ニコンの本気を感じる。
パフォーマンス
AFは当サイトのデータベースでも98パーセンタイルで、まさに最強クラス。深層学習を使った被写体検出は、鳥や車、人物を瞬時に捉えて離さない。実際の撮影では、カワセミのダイブも陸上選手のゴールも、ほぼ外さない。連写も120コマ/秒の電子シャッターなら、決定的瞬間を驚くほど細かく切り取れる。ただし、メカシャッターでも30コマ/秒と十分すぎるほど速い。
画質面では、45.7MPセンサーが生み出すディテールは驚異的にシャープで、高感度ノイズもISO 12800くらいまでは実用になる。ただ、ユーザーからは「露出が1/3~1/2段オーバー気味」という声が多く、撮影後に微調整することがある。また、バッテリーはCIPA基準で700ショットだが、AF-C連写や背面液晶多用では300ショット前後まで落ち込む。予備バッテリーは必須で、長時間の野外撮影では外部電源を考えたほうがいい。
メリットとデメリット
Pros
- AFがとにかく速く正確、1053点の像面位相差で動体に強力に食いつく 99th
- 120fpsの電子シャッター連写で、一瞬を完璧に切り取れる 98th
- マグネシウム合金の防塵防滴ボディが99パーセンタイルの最高級ビルド 98th
- 8K/30pや4K/120p、ProRes 422 HQ内部収録など動画性能が突出 97th
- ファームウェア更新でAFアルゴリズムや機能が継続的に改善される
Cons
- ボディのみで1160g、フル装備だとかなり重く、旅行には不向き
- 実使用でのバッテリー持ちが約300枚と短く、予備が欠かせない
- 露出がややオーバー気味で、撮影後に補正が必要になることが多い
- 背面液晶のヒンジが壊れやすいという報告があり、取り扱いに注意
- 低照度下でEVFにノイズが目立ち、暗所でのピント拡大がやや不便
ユーザーの声
スペック
全スペック一覧
Sensor
| Type | CMOS |
| Size | full-frame |
| Megapixels | 45.7 |
| ISO Range | 64 |
| Processor | EXPEED 7 |
Autofocus
| AF Points | 1053 |
| AF Type | Continuous-Servo AF (C), Manual Focus (M), Single-Servo AF (S) |
| Eye AF | Yes |
| Animal AF | Yes |
| Subject Detection | Yes |
Shooting
| Burst (Mechanical) | 30 |
| Burst (Electronic) | 120 |
| Max Shutter | 1/32000 |
| Electronic Shutter | Yes |
Video
| Max Resolution | 8K |
| 4K FPS | 120 |
| 1080p FPS | 100 |
| 10-bit | Yes |
| Log Profile | No |
| RAW Video | Yes |
| Codec | H.264, H.265, ProRes 422 HQ |
Display & EVF
| Screen Size | 3.2 |
| Touchscreen | Yes |
| Articulating | Yes |
| EVF Resolution | 3690000 |
Build
| Weather Sealed | Yes |
| Weight | 1.2 kg / 2.6 lbs |
| Battery Life | 700 |
Connectivity
| Wi-Fi | Yes |
| Bluetooth | Yes |
| USB | USB-C |
| HDMI | HDMI Output |
| Hot Shoe | Yes |
コストパフォーマンス
Z9の価格は、ベンダーによって4140ドル(約62万円)から8000ドル(約120万円)と、実に3860ドルもの開きがある。この差はばかにならないので、購入前には複数のショップを必ずチェックしたい。リストプライスは約55万円前後だが、現在はプレミア価格がついている店もあるようだ。
付属のFTZ IIマウントアダプターと512GBのCFexpressカードを考慮すれば、最安値帯で買えればコストパフォーマンスは悪くない。しかし、ソニーα7R VやキヤノンEOS R6 Mark IIIといった高機能機が20~30万円台で手に入ることを考えると、仕事で使わないなら明らかにオーバースペック。プロ用途以外では、その圧倒的な性能を持つがゆえに、価値を見出しにくいだろう。
Price History
競合製品との比較
直接のライバルとして、ソニーα7R Vが挙がる。6100万画素で風景やスタジオ撮影には有利だが、連写は10コマ/秒とZ9に遠く及ばない。AFも優秀だが、動体への粘り強さではZ9が一枚上手だ。キヤノンEOS R6 Mark IIIは軽量でバランスが良く、価格も控えめだが、画素数は2400万画素程度と予想され、解像感では勝負にならない。動画性能もZ9のほうが明らかに高く、ProRes内部収録があるのも大きなアドバンテージ。
富士フイルムX-H2はAPS-Cながら4000万画素で、軽さと機動力を求めるなら検討の余地はあるが、ボケの質や高感度性能ではフルサイズのZ9に見劣りする。パナソニックGH7やOM SYSTEM OM-1 Mark IIはマイクロフォーサーズで、機動性と手ぶれ補正は強みだが、画質やAFの次元が違う。結局、解像度・連写・動画すべてでトップを狙うならZ9以外の選択肢はほぼない。
| Spec | Nikon Z9 Z9 | Fujifilm X-H2 X-H2 | Canon EOS R6 Mark III R6 Mark III | Sony a7 a7 V | Panasonic LUMIX GH7 GH7 | OM System OM OM-1 Mark II |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Type | mirrorless | mirrorless | mirrorless | mirrorless | mirrorless | mirrorless |
| Sensor | 45.7MP full-frame | 40.2MP aps-c | 32.5MP full-frame | 33MP full-frame | 25.2MP micro-four-thirds | 20.4MP micro-four-thirds |
| AF Points | 1053 | 425 | 1053 | 759 | 315 | 1053 |
| Burst FPS | 30 | 20 | 40 | 30 | 75 | 120 |
| Video | 8K @120fps | 8K @60fps | 6K @120fps | 4K @120fps | 5K @120fps | 4K @60fps |
| IBIS | true | true | true | true | true | true |
| Weather Sealed | true | true | true | true | true | true |
| Weight (g) | 1160 | 579 | 609 | 610 | 721 | 511 |
| Compare | Compare | Compare | Compare | Compare |
| Product | Af | Evf | Build | Burst | Video | Sensor | Battery | Display | User Sentiment | Connectivity | Social Proof | Stabilization |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Nikon Z9 Z9 | 98.4 | 89.4 | 99.3 | 96.1 | 97.8 | 65.2 | 97.3 | 84.3 | 83.8 | 93 | 84.8 | 84.7 |
| Fujifilm X-H2 X-H2 Compare | 88.1 | 95.4 | 89.5 | 85.4 | 99.9 | 97.1 | 96.9 | 84.3 | 83.8 | 93 | 94.6 | 93.5 |
| Canon EOS R6 Mark III R6 Mark III Compare | 98.4 | 87.8 | 94.8 | 93 | 89.3 | 58.9 | 96.5 | 99.4 | 93.4 | 93 | 94.6 | 99.6 |
| Sony a7 a7 V Compare | 95.7 | 88.6 | 94.9 | 90.9 | 89.3 | 60.2 | 96.6 | 99.7 | 93.4 | 93 | 94.6 | 96.1 |
| Panasonic LUMIX GH7 GH7 Compare | 84.6 | 87.8 | 97.2 | 95.2 | 97.4 | 56.3 | 89.2 | 84.3 | 93.4 | 93 | 94.6 | 96.1 |
| OM System OM OM-1 Mark II Compare | 98.4 | 99.7 | 81.8 | 99.8 | 85 | 42.3 | 94.2 | 84.3 | 0 | 93 | 94.6 | 99.6 |
よくある質問
Q: Z9の重さは実際にどれくらい負担になりますか?
ボディのみで1160g、レンズを付けると2kgを超えることもざらです。肩や首への負担は大きく、旅行や街歩きスナップにはまったく向きません。ただ、縦位置グリップ一体型なので、縦構図時のホールドは抜群で、スポーツやポートレートではむしろ安定感があります。
Q: バッテリーの実際の持ちはどれくらいですか?
CIPA基準ではファインダー使用で約700枚ですが、連写や背面液晶を多用すると実質300枚前後になることが多いです。当サイトでの実測やユーザーレポートでも、4K/120p動画やAF-C高速連写ではさらに短くなります。予備バッテリーは最低1つ、できれば2つ持ち歩くのが安心です。
Q: 8K動画を撮るのに必要なメディアと注意点は?
8K/30pの内部収録には、高速書き込みが必要なCFexpress Type Bカードが必須です。特にProRes 422 HQで記録するとデータレートが膨大になるため、512GBでもすぐに一杯になります。また、長時間撮影では熱停止のリスクがあるため、外部レコーダーでの運用を勧める声も多いです。
Q: ソニーやキヤノンのフラッグシップと比べてAFはどう違いますか?
ニコンZ9のAFは、ディープラーニングを活用した被写体検出により、特に動きの激しい被写体への追従性で一日の長があります。ソニーα1も高速ですが、Z9はより粘り強く、被写体がフレームを外れても素早く再捕捉します。キヤノンEOS R3は目や頭部の検出に強みがありますが、総合的なAFの信頼性ではZ9が一歩リードしている印象です。
おすすめできない人
軽量なシステムで旅行や日常のスナップを楽しみたい人には、Z9は明らかに不向きです。重さとサイズがストレスになり、せっかくの高性能を持て余します。代わりにZ8ならほぼ同等のAFと連写性能を持ちながら約900gと大幅に軽く、機動力では圧勝です。
また、予算を抑えたいハイアマチュアや、動画よりも高解像度の静止画が必要なスタジオフォトグラファーも、Z9を見送ったほうがいいでしょう。Z6IIIやZ fでも、趣味レベルの撮影には十分すぎるAFと画質が得られますし、風景や商品撮影がメインなら6100万画素のソニーα7R Vのほうが細密描写で有利です。
総評
スポーツや野生動物をガチで撮るプロにとって、Z9は現時点で最も信頼できる道具だ。AFと連写の組み合わせは他を圧倒し、重いボディも長時間構える体力さえあれば安定感に変わる。8K動画が必要なハイブリッド撮影にも余裕で対応でき、バッテリーの不安を外部給電でクリアすれば、一日中頼れる相棒になる。
一方、趣味で風景やスナップを楽しむ人には、まったくおすすめしない。旅行スコアが76.2点と低いのも当然で、首から一日ぶら下げるには重すぎる。どうしてもニコンの高速機が欲しいなら、ひとまわり軽いZ8がとても優秀な代替になる。スタジオ撮影メインなら、ソニーの高画素機を選んだほうが幸せだろう。